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なお、このZの値は中心線の片側だけの値であるから、竜骨、中心線貫通板、中心線平置板の寸法には1/2がかかっている。
寸法計算書中に示す表の形式で計算をすると便利で間違いが少ない。まず、基線より0.4Dの点に水平線を画きこれを仮定中立軸(ANA)とする。表は、この仮定中立軸より下方(竜骨、中心線内竜骨、船底、船側外板)、上方(船側外板、甲板、甲板口側ガーダー)に分けてある。例外板は仮定中立軸で上下に分ける。ハッチ開口の小さい船では甲板口側ガーダーは0.4L間に全通しないことが多いので算入しないが、本船の例では長大で縦強度に有効であると認め、これを算入している。計算中立軸とのズレlを求め、つぎに計算中立軸から基線までの距離y下、Dの上端までの距離y上を求め、計算中立軸まわりの値に修正した?Tの値から、Z上=I/y上、Z下=I/y下を求める。Zの小なる方、すなわちZ上と先に求めたZ規と比較してZ上が大であればよい。もしZ上の方がZ親より小であったら、(1)甲板の板厚を増す
(2)船底外板の板厚を増すなどにより再度Z上の計算を行い、Z規に合うまで続ける。
梁上側板というのは、一番外舷側の鋼甲板という意味で、船の幅の狭くなった所でも舷縁に沿ってある幅を保ち、他の鋼甲板より厚めにとる。その幅は(805−?A)に、中央部の厚さは(805−?B)に、船首尾部の厚さは(805−?C)による。甲板口側線外の鋼甲板(半梁の上に張るもの、全通梁の上でもこれに相応ずるもの)の厚さは(806−?@)、これ以外の上甲板の厚さは(806−?A)による。船首楼甲板および船橋楼甲板の厚さは(803−?B)により、船尾楼甲板の厚さは(806−?C)による。

 

10.船首尾防撓構造(NKによる)
船首倉内の肋板の厚さは(1−03)による。ここの部分の構造の要点は、船首材、左右外板を肋板、中心線内竜骨で十分堅牢に固着し一体として働かせることにある。
さらに、(1−04)には防撓梁の設け方があり、梁上側板をこれに付ける場合にはその幅および厚さについて(1−04−?B)に規定がある。この部分の肋骨と防撓梁の断面係数についても(1−04−?@)に規定がある。
船首隔壁と船首から0.15Lの個所との間には、前項の防撓梁につけた梁上側板の延長上に船側縦適材を設ける。その構造は(1−11)に規定されている。本船では第19図に示すように、倉口前端のウェブフレームまで船側縦適材を設け、その寸法はウェブフレームとほぼ同等としている。

 

 

 

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